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教員氏名 斉藤 ふくみ
ローマ字 SAITOU Fukumi
所属学科 子ども健康学科
職名 教授
研究室 弘明館A423
メールアドレス f-saitou@fains.jp
主要担当授業科目 学校保健学、学校保健学特論、養護実習事前事後指導、修了研究Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、保育内容指導法(健康)
専門分野 学校保健学、養護実践学、保健教育、プロトコル分析
オフィスアワー 前期:月曜日4限
後期:金曜日3限
学生の皆さんへ 高等学校での養護教諭経験が17年間あります。養護教諭養成は、25年目となります。皆さんの夢が実現できますよう、これまでの経験を元に指導やアドバイスをしていきます。養護教諭は、とても奥深く、複雑な職業です。ともに学び合って、養護の扉を開けて探索していきましょう。
最終学歴 広島大学大学院保健学研究科博士課程後期保健学専攻修了
取得学位 博士(保健学)
職歴 1983年 北海道公立高等学校に養護教諭として勤務
2000年 熊本大学教育学部講師
2006年 熊本大学教育学部助教授(2007年職名変更准教授)
2008年 茨城大学教育学部准教授
2014年 茨城大学教育学部教授
2019年 関西福祉科学大学健康福祉学部教授
2022年 北翔大学教育文化学部教授
2025年 九州女子短期大学子ども健康学科特任教授
所属学会名 日本養護教諭教育学会、日本健康相談活動学会、学校健康相談学会、日本学校救急看護学会
教育研究社会活動 2006年7月 第6回九州地区健康教育研究大会:第2分科会健康相談活動(中学校・高校)指導助言
2007年11月 熊本県平成19年度小中県立学校「養護教諭10年経験者研修」講師「保健指導・保健学習における教材・教具の工夫2」
2008年7月 茨城大学教育学部養護教諭養成課程同門会研修会講演講師「養護教諭の実践をめぐって-研究方法と記録-」
2009年2月 茨城大学教育学部附属中学校平成20年度第2回学校保健委員会講師「思春期にある子どもの心」
2009年~2018年 茨城大学教員免許状更新講習講師「健康相談の理論及び方法」
2011年6月 平成23年度茨城県高等学校教育研究会養護部研究協議会講師「保健室での子どもとの対応を可視化する試み」
2012年10月 日本養護教諭教育学会第20回学術集会ワークショップ講師「実践的研究の進め方」
2013年7月 平成25年度茨城県新規採用養護教諭研修講座講師「性に関する指導の実際」
2013年8月 平成25年度岩手県授業力向上(免許状更新講習)講師「健康相談の理論及び方法」
2013年9月 平成25年度5年次研修講座講師(養護教諭)「健康相談活動」
2013年10月 第15回茨城県高等学校・県立学校保健主事研究協議会講師「学校保健における連携について~養護教諭の執務について理解する~」
2014年2月 平成25年度常陸太田市学校保健会・給食会合同講演会講師「児童生徒の心の健康づくりに関すること」
2014年8月 日本学校健康相談学会第12回ワークショップ講師「子どもの理解と新たな展開を求めて-事例検討とロールプレイ-」
2014年10月 平成26年度10年次経験者研修講座講師(養護教諭)「健康課題の解決に向けた健康教育の理論と方法」
2015年 4月 日本養護教諭教育学会編集委員会委員長(2018年3月まで)
2016年2月 平成27年度水戸市学校保健会養護教諭部会講師「養護教諭と研究-実践研究」
2017年10月 日本養護教諭教育学会第25回学術集会ワークショップ講師「実践の悩みや疑問から研究のヒントをみつける」
2018年2月 平成29年度茨城県高等学校教育研究会養護部会研究発表会講師「研究課題の焦点化と研究手法」
2018年8月 平成30年度茨城県高等学校教育研究会定通部総会「講演会」講師「生徒の心と身体の健康を支える教育活動の理論及び方法」
2018年10月 第63回茨城県教育研究連盟研究集会助言者保健教育部会研究発表助言
2018年12月 一般社団法人日本学校保健学会第65回学大会シンポジウム(2)「養護教諭の専門性を支える理論構築にむけた養護実践研究のアプローチ」座長
2019年3月 平成30年度関西福祉科学大学「養護教諭になるための研修会」講演講師「養護教諭になるための研修会」
2019年10月 令和元年度大阪市立高等学校教育研究会学校保健部養護教諭部会講演会講師「自主的な健康管理能力を育む健康教育」
2019年11月 大阪府教育庁令和元年度学校地域保健連携推進協議会委員長(2020年3月まで)
2021年4月 全国私立大学・短期大学(部)養護教諭養成課程研究会会長(2022年3月まで)
2023年7月 令和5年度第53回北海道養護教員研究大会研究発表助言者「学校保健における校内OJTの実践について~学校全体の協力体制をつくるために~」
2023年12月 令和5年度茨城県学校保健会養護教諭部会第3回研修会フォーラムコーディネーター「保健室対応を語る~地域における研修の発表から~」
2024年8月 令和6年度札幌市養護教諭研究会「引き出しの会」研修会講師ワークショップ「キワニスドールの保健指導教材活用」
2024年12月 一般社団法人日本養護教諭教育学会第32回学術集会シンポジウム「教室に帰すというジレンマの意味を問い直す」コーディネーター


受賞等 2012年10月 日本養護教諭教育学会「学会設立時からの会員表彰」受賞
2016年11月 日本学校保健学会第63回学術集会(つくば)『発表賞』受賞~「養護教諭がコーディネーターとしての役割を果たすために必要な要素について-質問紙調査から-」
2025年2月 一般社団法人日本養護教諭教育学会投稿奨励研究(代表:岩橋花季)
社会貢献・国際連携等 2022年~2023年 令和4年度北翔大学地域連携センター主催オンライン教養講座「養護教諭が一番大切にしてきた/いる/いくこと」
2023年9月 令和5年度北翔大学公開講座「レッツ!健康生活‼ キワニスドールで身体を理解して、健康生活を考えよう」
研究活動の概要

私の研究は、①養護教諭の資質や研究能力およびそれらを育成する養護教諭養成カリキュラム研究、➁養護実習および学生の成長に関する研究、③養護教諭の実践活動に関する研究および授業研究に大別されます。これまでの研究成果を単著「養護教諭の実践研究-プロトコル分析のすすめ-」にまとめました(2024年11月刊行)。今後も授業研究を継続して、学生の成長を促す授業作りに努めるとともに、現職養護教諭の日々の実践の質的向上を支える技術および理論の探求と、現職養護教諭の方々と研究会を組織して、実践研究を進めていきます。

中学校・高等学校出前授業 2015年10月 福島県立湯本高等学校「ザ・保健室」
2015年11月 福島県立いわき光洋高等学校「ザ・保健室」
2015年12月 茨城県立水戸第三高等学校「ザ・保健室」
2018年10月 栃木県立今市高等学校「教育と健康」
2019年7月 富山県立上市高等学校「健康科学科模擬授業」
2020年2月 大阪緑涼高等学校「子どもの健康を守る養護教諭の仕事」
2022年9月 稚内南中学校「養護教諭の職務(仕事)論」
2023年7月 千歳北斗中学校「健康と教育」
2023年9月 江別市立江陽中学校「養護教諭の職務(仕事)論」
文部科学省科学研究費 2006年~2008年 「スリランカにおけるインクルーシブ教育を組み込んだ初等中等教育教員養成モデルの構築」研究課題番号:1833020 古田弘子他7名
2011年~2013年 「養護教諭志望学生の『省察力』育成を目指した学内実習の授業モデル開発」研究課題番号:235311003-01 後藤ひとみ他3名
助成金対象研究 1998年~1999年 日本養護教諭教育学会研究助成金対象研究「養護教諭の研究能力に関する研究」
2002年~2003年 日本養護教諭教育学会研究助成金対象研究「健康教育に必要な養護教諭の能力に関する研究」
2006年~2007年 日本養護教諭教育学会助成金研究「養護実践力の育成を目指す養護教諭養成カリキュラムの検討-「養護概説」担当者による分析-」
2007年~2008年 日本養護教諭教育学会助成金研究「養護実践力の育成を目指す養護教諭養成カリキュラムの検討-学内・学外における系統的な実習のあり方-」
2012年~2013年 日本学校健康相談学会研究助成金対象研究「事例提供者が満足できる事例検討会のあり方について」
2013年~2014年 日本学校健康相談学会研究助成金対象研究「生徒の介入拒否から考察する養護の作用-1型糖尿病をもつ生徒の事例検討から-」
2017年~2018年 日本養護教諭教育学会助成金研究「養護複数配置教育に関する授業モデルの構築」
教育委員会派遣内地留学生指導 2016年 平成28年度茨城大学教育学部後期委託生指導1名、研究テーマ「心因性の来室児童への健康相談活動のあり方~組織的な相談活動を進めるために~」
2017年 平成29年度茨城大学教育学部後期委託生指導1名、研究テーマ「保健室登校生徒へのチーム支援における健康相談のあり方-心の成長を支援する組織的対応の事例を通して-」
2018年 平成30年度茨城大学教育学部後期委託生指導1名、研究テーマ「よりよい行動変容を継続し、新たな健康課題に対応できる思考力や判断力の育成を図るための保健指導の在り方~    
    「主体的な学びの過程」の研究を通して~」
現職養護教諭との研究会 2012年~2014年 平成24年度・平成25年度 茨城大学教育学部附属幼稚園・小学校・中学校・特別支援学校の養護教諭との研究会「子どもの成長・発達を促す養護教諭の支援のあり方-校 
        種別の「養護」を考える」-の指導助言
2016年~2018年 平成28年度・平成29年度 茨城大学教育学部附属幼稚園・小学校・中学校・特別支援学校の養護教諭との研究会「子どもの成長・発達を支える養護教諭の連携・協働のあ
        り方」― 校種別の「養護」を考える-」の指導助言
2016年~2018年 平成28年度・平成29年度 茨城県水戸市内高等学校養護教諭研究会「組織活動の取り組み」の指導助言
2018年~2019年 平成30年度 茨城大学教育学部附属幼稚園・小学校・中学校・特別支援学校の養護教諭との研究会
種類 著書・
学術論文の名称
単著
共著
筆者 発行
年月等
発行所等 概要
著書
著書 .養護教諭の実践研究―プロトコル分析のすすめ― 単著 斉藤ふくみ 2024.11 風間書房 本書は、学校に勤務する養護教諭の学校教育における位置づけを明確にするとともに、保健室を中心に展開されている養護実践の実相を可視化するための研究手法として、プロトコル分析を用いた筆者の研究例を基に解説し、養護教諭の実践研究における質的研究手法の汎用と発展に寄与することを目的として刊行し、国内における養護教諭の実践の質的研究の新たな視座となる。
著書 .養護教諭必携シリーズNo.2「養護教諭の行う健康相談」 共著 編者:大谷尚子、鈴木美智子、森田光子 執筆:井手元美奈子、大原榮子、亀崎路子、斉藤ふくみ、出原嘉代子、中川裕子、松永恵、山中寿江、吉田あや子他 2016.3 東山書房 本書は養護教諭の健康相談に関する教育に必要な事項を網羅し、具体的な事例をあげ、理論を述べている。構成は、第1章 養護教諭の行う健康相談、第2章 健康相談の過程、第3章 場面や「問題」に応じた健康相談のすすめ方、第4章 健康相談に必要な力量と学びの方法、第5章 事例から健康相談を学ぶ となっており、養成機関のテキストだけでなく、現職養護教諭が自分の健康相談を整理・分類するなど貴重な指針として役立つ内容となっている。
著書 養護教諭必携シリーズNo.4「改訂養護実習ハンドブック」 共著 編者:大谷尚子、中桐佐智子 執筆:今野洋子、江嵜和子、大川尚子、大原榮子、小川浩子、萩津真理子、神部美絵子、工藤宣子、小林央美、斉藤ふくみ、砂村京子他 2015.10 東山書房 養護実習は養護教諭養成カリキュラムの中で中核を占めるものであり、養護教諭になるための基礎・基本を学ぶ大切な機会である。学生が養護実習に臨む前の準備段階から養護実習の意義を確認し、実習で体験する事柄を予習・復習できるように構成されている。健康管理、健康教育、保健室来室者対応について、詳細な解説をしており、学生は子ども理解の助けとなるとともに、日々の実習内容の振り返りにおいて、養護教諭の専門性の確認と省察を行うことができる。
著書 『新養護学概論』 共著 編者:大谷尚子、中桐佐智子 執筆:大谷尚子、中桐佐智子、有村信子、池本禎子、植田誠治、大野太郎、大原栄子、岡本陽子、小川浩子、楠本久美子、小林央美、斉藤ふくみ、櫻田淳、塩田瑠美、竹崎登喜恵、竹田由美子 2009.4 東山書房 養護教諭は、目の前の子どもたちが提示している課題を受け止め、その課題解決に向けた関係者の協働関係を組織する役割をになっている。養護教諭の実践を貫く「養護」について体系的に学ぶことができるように章立てされている。第1章養護の概念と第6章問題に応じた養護活動の展開は、「養護」の原点を照らし合わせて実践を問い直すことができ、学生だけでなく、現職養護教諭にとっても実践の振り返りをすることができるように構成されている。
著書 『子どもの権利を生かす生活指導全書⑧ 子どもの健康と生活指導』 共著 編者:堀内久美子 執筆:堀内久美子、瀧澤利行、後藤ひとみ、中安紀美子、白石淑江、北方幸江、山田千世、長谷部博子、斉藤ふくみ、白木裕子 1993.2 一葉書房 学校における生活指導の具体的なあり方を特別活動の諸内容その他に即して明らかにするとともに、いじめ・不登校などにあらわれた子どもの発達途上の困難を共有しながら、子どもに寄り添った援助のあり方を究明している。小学校・中学校・高校の養護教諭の実践から、保健室は子どもが生活のエネルギーを補給する場所であり、養護教諭は子どもの健康問題をきっかけとして子どもの心とふれあい、内面的成長を促していることが紹介されている。
学術論文
学術論文 キワニスドール作成が学生に与えた教育的効果-養護教諭志望学生1年次の振り返り記述の分析から— 単著 斉藤ふくみ 2025.1 北翔大学教育文化学部研究紀要、第10号、pp.119-130 2022年度および2023年度に行った養護教諭コース1年次対象の「基礎教育セミナーⅠ」でのキワニスドール作成演習後、学生が記述した振り返りを質的統合法により分析した結果、①学生は解剖学の復習となり、自己の学びを実感した。➁ドールは保健教育や救急処置、健康診断の際にも教材として活用できると考えた。③柔らかいドールを保健室に置くことで、安心でき行きやすい保健室空間を作ることになり、健康相談活動が充実すると考えた。④保健室におけるメンタル面の支援においても、ドールを活用することが推測された。
学術論文 子ども理解と支援について-スクールアドバイザーの視点から— 共著 斉藤ふくみ、笹原昌子 2025.1 北翔大学教育文化学部研究紀要、第10号、pp.131-142 笹原氏の豊富な教職生活の中での、数々の身心の健康課題を抱えた子どもとの出会いと支援のご実践から、学生へ子どもの理解とはどういうことか、子どもを支援するとはどういうことかについて現実的なお話を盛り込まれたご講義をいただいたので、講義内容を報告した。学生は、子どもをとりまく環境や担任をはじめ多くの人々の支援の在り方と養護教諭として、どのように連携・協働していくのか視野が広がったことが授業後のレポートから捉えられた。
学術論文 島しょの自然災害における被災地の中学生および高校生の気持ちの状態についての研究 : 2013(平成25)年伊豆大島の土砂災害に関する質問紙調査から 共著 小室 美里, 斉藤 ふくみ 2024.9 「日本養護教諭教育学会誌」第28巻第1号、pp.43-56 本研究は、2013(平成25)年10月16日(木)伊豆大島で発生した土砂災害に着目し、中学生および高校生を対象とした質問紙調査を行い、被災後の気持ちの回復に関連する諸要因を明らかにすることを目的とした。その結果、災害発生から約1年後においても、「嫌悪」や「悲しみ」は「強い」と回答する割合が高く、強く心を痛めている生徒もいることが示唆された。また、精神的回復力については、低得点群では、「無関心」と関連がある可能性が示唆され、今後「無関心」がどのような気持ちの状態から引き起こされているのか探っていくことが求められる。
学術論文 北海道における養護教諭の歴史に関する考察(2)―養護教諭養成カリキュラムの「養護に関する科目」構成に焦点を当てて― 単著 斉藤ふくみ 2024.1 「北翔大学教育文化学部紀要、第9号、pp.65-81 本研究は、北海道において看護師免許を有しない養護教諭一種免許状を取得できる4年制養成大学を対象とし、各養護機関の教育目標と教育課程を分析して、各養成機関の養成教育の特徴を整理した。その上で、H大学のカリキュラムについて、養護実践学関連科目の比重の高さ、養護基礎学関連科目の脆弱性を指摘し、改善策を提案した。
学術論文 北海道における養護教諭の歴史に関する考察(1)―その黎明期と配置推移に着目して― 単著 斉藤ふくみ 2023.1 「北翔大学教育文化学部紀要、第8号、pp.265-276 本研究は、北海道における学校看護婦の出現について公文書から史実の確認をするとともに、養護訓導、養護教諭と変遷をとげる経緯を明らかにし、北海道の養護教諭の配置数の推移をまとめるとともに、北海道における養護教諭養成機関6機関について整理し、概説した。

学術論文 教育学部養護教諭養成課程4年次生を対象とした保健指導の試行:児童の行動変容の継続を目指した保健指導案の提案 共著 海老原倫子・斉藤ふくみ 2021.3 「日本養護教諭教育学会誌」第24巻第2号、pp.15-25 本研究は、授業前後で2回のセルフモニタリングを実施し、行動変容の比較を試みることで行動変容の強化、継続性を検討した。その結果、「振り返り」を意識し、「対話を重視」した「主体的・対話的で深い学び」の授業が、行動変容を促進させ、健康課題に対応できる「思考力や判断力」の広がりを確認できた。

学術論文 養護教諭の実践力を培うボランティア活動の成果と課題に関する考察 共著 斉藤ふくみ、大川尚子、新子寿一、安田典子、金碇なぎさ、福田早苗、藤岡弘季 2020.1 「総合福祉科学研究」第11号、pp.65-72 本研究は、大学教員からみた成果と課題、教育委員会からみた成果と課題、現場の養護教諭からみた成果と課題、行政管理者からみた成果と課題とそれぞれの立場からの成果と課題について、公開シンポジウムを行った記録、ボランティアを受け入れる学校・園の校長・園長・養護教諭への質問紙調査、ボランティア参加者の感想、卒業生の新任養護教諭の意見をもとにその活動の成果と課題について考察することを目的とする。成果は、1.学校側のニーズと大学のニーズが合致したところで、そこに教育委員会が繋ぎ目となり、本事業が継続されてきた等の4点、課題は、1.学校側も大学側もボランティアはあることが当たり前という認識からボランティアが形骸化しつつあり、本事業の意義を見つめなおす必要がある等の4点を得た。
学術論文 養護教育専攻大学院生が「The Cider House Rules」から得たインパクト-質的分析を通して- 共著 高橋朋子・粟野智美・佐藤亜純・渡辺梨紗 子・角田愛・斉藤ふくみ・古池雄治 2019.11 「茨城大学教育実践研究」第38号、pp.115-124 本研究は、養護教育専攻大学院生が、子どもの自立をテーマとした映画からどのようなインパクトを得たのかを明らかにするために、大学院1年次の「養護学特論演習」の授業において、『The Cider House Rules』による「シネメデュケーション(cinemeducation)」を行い、鑑賞後の受講生4名の感想を対象として質的記述的分析を行った。その結果、 70コード、21サブカテゴリーを抽出した。さらに、【孤児院の子どもたちが求める愛情と権利】【経験や人との関わりによる成長】【虐待,中絶,差別,戦争等社会的背景】【既存のルールと自分たちが必要とするルール】【人生に希望や変化をもたらす愛】【周囲への感謝と誰かのためになること】【養護教諭としての成長】の7カテゴリーに分類された。生命倫理を学ぶことと同時に養護教諭としての職業意識の確立の一助となったと考える。
学術論文 養護教諭の養護教諭による養護教諭のための研究-養護教諭養成と研究- 単著 斉藤ふくみ 2019.3 「学校救急看護学会誌」第12巻第1号、pp.8-14 本研究は、筆者が人生の大半を費やしてきた「研究」の魅力について掘り下げることを目的とする。研究者は、積極的に論文や学会発表を行い、評価を受けなければならない。筆者が論文を執筆する際に心がけていることは、誰が読んでもわかる平易な言葉でわかりやすい文章を書くことである。筆者は、読み手(養護教諭)に言葉が届くことが、養護実践になんらかの影響を与えて、最終的に子どもの健康に結実することを期待して論文を執筆していることを述べた。
学術論文 子どもの「生きる力」を育むために求められる養護教諭の教師性-健康教育における授業実践の論文レビューから- 単著 斉藤ふくみ 2018.9 「日本養護教諭教育学会誌」第22巻第1号、pp.3-8 本研究は、新学習指導要領が目指す子ども像を育成するために、養護教諭は健康教育をいかに推し進めていくのか、とりわけ思考力に焦点を当てて授業実践を中心に論考して結果、本学会誌においては、健康教育に関する授業実践を対象とした研究成果は少なく、子どもの思考に言及している論文は4件であった。養護教諭は、健康教育を担う教師として、子どもの思考力を高めるような授業研究が必要であることを確認した。
学術論文 教育学からみた養護教諭の専門性と養成教育 単著 斉藤ふくみ 2018.8 「保健の科学」第60巻第8号、pp.533-538 本研究は、養護教諭の担う役割は、教育を取り巻く環境がますます複雑化していく中で、今後さらに複雑になっていくことが予測される。教師としての養護教諭の原点とその価値を確認するとともに、養護教諭養成が揺らぐことのない養護をつかさどる教師養成であることを確認した。
学術論文 島しょの自然災害から考察する被災地の養護教諭の役割(第1報)-2013年伊豆大島の土砂災害に関する養護教諭対象のインタビュー調査から- 共著 飯嶋美里、斉藤ふくみ 2018.3 「日本養護教諭教育学会誌」第21巻第2号、pp.29-37 本研究は、2013年10月16日に伊豆大島で発生した土砂災害に着目し、養護教諭や保健室の役割に焦点を当てて養護教諭対象にインタビュー調査を行い、養護教諭の視点から捉えた災害時の子どもの様子や学校の状況を明らかにし、養護教諭にできることを考察することを目的とする。その結果、①子どもたちの心身の健康を守ること②島内の養護教諭のつながりを深めておくこと③教職員への対応の3点が確認された。
学術論文 特集 日本養護教諭教育学会誌の20年の功績と養護教諭教育の未来 本学会の理念追究に果たしてきた学会誌の役割 単著 斉藤ふくみ 2016.9 「日本養護教諭教育学会誌」第20巻第1号、pp. 9-13 創刊号発刊から20年が経過し、第20巻を迎えた本学会誌の既刊24冊を振り返り、学会誌が本学会の「養護教諭教育」の理念の追究にどのように貢献してきたのかについて、現編集委員長の立場から論じた。その結果、20年の間に現職養護教諭が自らの実践を研究して発表する場を学会誌が提供したことが、養護教諭の資質や力量向上に大きく寄与したことを確認した。また、今後の課題として①「養護実践」領域の研究の支援②「現職研修」領域の研究の推進③これまでの研究により導き出された概念を整理すること④「養護実践」の理論的枠組みにつながる領域区分を再検討することの4点が整理された。

学術論文 特集 養護教諭と実践研究   養護教諭関係学会において報告された養護教諭による実践研究の動向 単著 斉藤ふくみ 2014.10 「学校健康相談研究」第11巻第1号、pp. 20-26 「養護実践」の歩みを見ると、1960-1970年代は「職務」が主であり、1980年代に「養護教諭の実践」に光が当てられた。2000年代に入り、「実践」が入った論文が急増し、実践研究が成熟期に入った。また、現職養護教諭が自らの実践を研究する手法は、2005年から質的研究手法が急増した。今後養護教諭の実践研究に最も的確な分析手法の開発が待たれる。
学術論文 養護教諭の対応と子どもの安心感との関連性に関する研究―スキンシップ・タッチに着目して― 共著 曾田樹梨、高橋裕子、長谷川秀子、斉藤ふくみ 2014.3 「茨城大学教育学部紀要(教育科学)」第63号、pp. 205-218 本研究は保健室という場における養護教諭が行うスキンシップ・タッチはどのような意味を持っているのか、また、安心感との関連性を明らかにすることを目的として、児童生徒の心身の健康を守り育てる養護教諭としてどのように関わっていくべきかを調査した。その結果、スキンシップ・タッチの持つ意味として、個に応じたスキンシップ・タッチ、教育的効果、スキンシップ・タッチ時の配慮事項、意識的タッチングと無意識的タッチングの4つの観点に分けることができ、スキンシップ・タッチの教育的意義と成長発達支援における意義を明らかにすることができた。
学術論文 養護教諭養成モデル・コア・カリキュラムに関する研究-「養護に関する科目」における科目区分の検討- 共著 斉藤ふくみ、小玉正志、新井猛浩、笠巻純一、河田史宝、中下富子、竹鼻ゆかり、岡田加奈子、後藤ひとみ、北口和美、高橋香代、田嶋八千代、上村弘子、本田優子、松田芳子、山梨八重子 2013.8 「学校保健研究」第55巻第3号、pp. 228-243 本研究では、2008年に提示した行動目標の概念を見直し、モデル・コア・カリキュラム(2010年度版)(表1)を作成するとともに、養護部門会員大学の現行カリキュラムとコア・カリとの照合調査を行い、養護教諭養成大学の教育現状を明らかにすることを目的とした。対象は、本研究委員会所属機関のうち4年制の養成機関10大学である。
その結果、「養護に関する科目」9科目全体の開講授業科目数は353科目であり、うち必修は175科目(49.6%)であった。教育方法は講義が全体の約7割を占め、演習・実習・実験は少なかった。このことから、教育職員免許法で規定している最低修得単位数だけでは、各領域の教育内容を担うことは困難であること、科目によっては、必修科目で賄えない部分を選択必修科目や選択科目で補っていたが、最低限の教育内容として講義中心の授業形態にならざるを得ない状況があることが把握された。
学術論文 教員採用試験における養護教諭専門教養の出題傾向の分析-全国都道府県教育委員会が求める資質・能力- 単著 斉藤ふくみ 2013.3 「茨城大学教育学部紀要(教育科学)」第62号、pp. 313-319 本研究は、教育採用試験の中の養護教諭専門教養に着目し、全国都道府県教育委員会が実施した過去5年間の問題を分析し、出題傾向を捉えるとともに、教育委員会が求める養護教諭の資質・能力はいかなるものかを明らかにすることを目的とした。その結果、各教育委員会は、年を増すごとに精緻かつ難解な問題を出題しており、子どもの健康課題を反映するとともに、社会の要請に応えるうる養護教諭として、知識力、思考力、判断力、実践力、応用力を測定しようとしており、それらが求められる養護教諭の資質・能力といえる。
学術論文 保健室「あいまい来室者」の探索的研究-子どもの成長に着目して- 共著 高野真樹、斉藤ふくみ 2013.3 「茨城大学教育学部紀要(教育科学)」第62号、pp. 321-338 本研究は、あいまい来室をする子どもたちの言動から保健室に足を向ける意味・背景・心の状態を分析することを目的とした。対象は、A県の小学校・中学校・高等学校各1校ずつ計3校の保健室来室者のうち、あいまい来室者であると判断した児童生徒、小学校6名、中学校9名、高等学校1名であり、方法は参与観察を用いた。その結果、あいまい来室者が求める保健室の役割を「避難所」「発散」「やすらぎ」の3つの項目に分類できた。
学術論文 大学生における大麻などの違法薬物に対する意識に関する研究 共著 中野智美、竹下誠一郎、斉藤ふくみ 2012.8 「学校保健研究」第54巻第3号、pp. 218-226 本研究は、I大学学生を対象に違法薬物の認識、誘われた経験の有無、使用の見聞等の実態調査を行った。その結果、使用の見聞は5.3%、誘われた経験は0.9%であった。学生の薬物乱用防止対策として、相談窓口設置などが示唆された。
学術論文 東日本大震災1ケ月後の養護教諭養成課程学生が考える養護活動に関する一考察-2,3年生対象の授業はじめのワークショップを通して- 単著 斉藤ふくみ 2012.3 「日本養護教諭教育学会誌」第15巻第2号、pp. 33-41 本研究は、A大学養護教諭養成課程学生において、心身にどのような影響がみられたか、子どもや養護活動について考えたことは何かを捉えることを目的として、震災後1ケ月後に行った二つの授業の1回目にワークショップを行った。その結果、学生の約6割に心身の症状がみられた。学生が考える養護活動は、健康観察、応急処置、話をきくが多く、カテゴリーでは健康相談活動が最も多かった。

学術論文 日本とフィリピンの幼稚園の実態調査-園児の生活習慣を中心に- 共著 斉藤ふくみ、ラーニー・ベルガラ、内田信子、廣原紀恵 2012.3 「茨城大学教育学部紀要(教育科学)」第61号、pp. 247-255 日本とフィリピンの幼稚園の保護者を対象に園児の生活習慣に関する質問紙調査を実施した。その結果、日本とフィリピンで有意差が見られたのは、日本において挨拶、衛生習慣が確立していた一方、フィリピンでは家族の団らんを重視している傾向が捉えられ、健康教育の示唆を得た。
学術論文 保健室における香りによるリラックス効果の研究 共著 蛭田麻衣、川崎尚子、斉藤ふくみ 2011.11 「茨城大学教育実践研究」第30号、pp. 169-181 本研究は、児童生徒の香りによるリラックス効果の有無とどのような香りが精神的緊張の緩和につながるかを明らかにするために調査を行った。その結果、用いた7種類の香りのうち、最も精神的緊張の緩和に効果があったのは「レッドカラント&ラズベリー」であった。
学術論文 幼稚園保健室コーナーの参与観察-園児の行動に着目して- 共著 斉藤ふくみ、萩谷香里、松永(金田)恵、木下正江、森よし江 2011.3 「日本養護教諭教育学会誌」第14巻第1号、pp. 21-31 幼稚園保健室コーナーを5日間参与観察し、ビデオ撮影し、撮影した内容を園児の行動に着目して分析した。分析には、推移確率の手法を用い、来室ニーズの上位7位のうち、ソファーに触れる行動を示した園児を抽出して確率を求めた。その結果、甘えニーズは養護教諭と視線が合うこと、触れることで満足する等の特徴が見いだされた。
学術論文 養護教諭養成課程学生の養護実践場面に関する討論授業の効果-ケース・メソッド授業を通して- 単著 斉藤ふくみ 2011.3 「茨城大学教育学部紀要(教育科学)」第60号、pp. 143-151 養護教諭養成課程1年生を対象として「養護教諭論」の授業において、ケース・メソッドを試みた。学生に保健室の悪い思い出を記述してもらい、毎回1事例を取り上げ、自己学習→グループ学習→全体討論の順で意見交換を行った。その結果、回を重ねるごとに養護教諭の対応に関することから、自ら養護教諭になったときの実際場面の思考に発展していく過程を確認した。
学術論文 健康相談活動に関する授業におけるアクション・リサーチの試み 単著 斉藤ふくみ 2010.3 「日本養護教諭教育学会誌」第13巻第1号、pp. 125-136 K大学養護教諭特別別科学生対象の「ヘルスカウンセリング」の授業の中で、養護実習で経験した健康相談活動の再現ロールプレイおよび修正ロールプレイを通じて、学生が省察して改善した内容をビデオ撮影およびグループワークの話し合いの逐語録の分析を通して明らかにした。
学術論文 幼稚園保健室コーナーの参与観察-園児の動きの分析を中心に- 共著 斉藤ふくみ、木下正江、松永(金田)恵、森よし江 2010.2 「茨城大学教育学部附属幼稚園研究紀要」第25号、pp. 101-111 茨城大学教育学部附属幼稚園にて5日間の参与観察を行った。ビデオによる撮影と、参与観察者の手書きによる園児の行動の動線の記述による行動分析を行った。その結果、園児はニーズと養護教諭への接近欲求により4分類(甘え・手当・遊び・相談ニーズ)することが可能であった。
学術論文 .保健学習の模擬授業におけるピア・ティーティング効果の検討-相互評価の分析と発問分析から- 単著 斉藤ふくみ 2009.3 「日本養護教諭教育学会誌」第12巻第1号、pp. 87-96 本研究の目的は、1年制養護教諭養成機関で、効果的に保健学習の力量を育成するために模擬授業を取り入れ、学生相互に評価し合うことによるピア・ティーティング効果を検討することである。その結果、回数を重ねるごとに指導技術について要改善の記述は減少するなど授業を見る経験を重ねることにより様々な視点で授業を評価する授業観察眼が養われ、授業改善につながることが確認された。
学術論文 保健学習・保健指導におけるアクション・リサーチの試み 単著 斉藤ふくみ 2009.3 「茨城大学教育学部紀要(教育科学)」第58号、pp. 275-282 本研究は、学生の教科教育指導力および保健指導力の育成と向上を目指して、学生が養護実習中に実施した保健学習および保健指導の研究授業を筆者がビデオ撮影し、実習後自主ゼミの形で任意に参加した学生達と当該研究授業の授業者がビデオを視聴し、ディスカッションするアクション・リサーチを試み、参加者個々が省察を深める学習活動を行った。その結果、第1段階の省察(客観的自己観察)、第2段階の省察(自己の内面の葛藤の表出)、第3段階の省察(自己の改善点の認識)の省察のプロセスを確認した。
学術論文 養護教諭による朝の校内巡視に関する実践研究 共著 斉藤ふくみ、木下正江 2009.3 「茨城大学教育実践研究」第28号、pp. 113-121 本研究は、一養護教諭が毎朝実践する校内巡視に着目し、参与観察を実施した。校内巡視の順番、観察の着眼点、そこに込められた養護教諭の思い(教育観・生徒観・健康観)を分析した。その結果、養護教諭の実践には、教育の目的ある人間形成につながる教育観が養護として存在することを確認した。合わせて一生徒と養護教諭のエピソード分析も行った。
学術論文 養護教諭養成における研究能力の育成 単著 斉藤ふくみ 2009.3 「保健の科学」第51巻第8号、pp. 539-543 本論文は、養護教諭養成の教員の立場から、将来学校で活躍する研究能力と実践能力を備えた養護教諭を養成するために何が必要であるか、求められているかを、養護教諭をめぐる研究の現状をもとに言及した。とりわけこれから養護教諭に求められる能力は質的研究能力であること、大学では学生が主体となる授業の創造が重要であることを提言した。
学術論文 養護実践力の育成を目指す養護教諭養成カリキュラムの検討(第1報)-科目「養護概説」の分析- 共著 斉藤ふくみ、今野洋子、古賀由紀子、後藤ひとみ、小林央美、松田芳子 2008.3 「日本養護教諭教育学会誌」第11巻第1号、pp. 53-62 本研究は、養護教諭一種免許状の課程認定を受けている78大学81学部を対象として、カリキュラム等に関する資料の収集を行い、「養護概説」の現状と課題を捉えることを目的とした。37大学37学部より資料を回収(回収率46%)し、シラバスの分析を行った。その結果、「養護概説(必修)」では理論だけでなく、養護実践を扱っていることが明らかになった。
学術論文 3大学の養護実習記録の内容分析による学生の学びの比較-テキスト・マイニング手法を用いて- 共著 斉藤ふくみ、宮腰由紀子、津島ひろ江 2007.6 「学校保健研究」第49巻第2号、pp. 127-143 本研究は、平成17年度A大学学生29名、B大学学生29名、C大学学生10名の養護実習記録をテキスト・マイニング手法を用いて内容分析を行った結果、学生の学びの言語構成が明らかになり、各々の大学の養護実習での学生の学びの特徴を捉えることができた。学生は、養護実習を通して養護教諭から学ぶとともに他教師から多くの学びを得ていることが認められた。
学術論文 .スリランカの学校における保健管理と保健教育-中央州における学校訪問調査から- 単著 斉藤ふくみ 2007.2 「熊本大学教育実践研究」第24号、pp. 109-116 本研究は、これまで学校保健領域の調査研究が行われていないスリランカを訪れ、学校訪問を行い、日本の学校保健の視点から保健管理、保健教育の現状を観察した。スリランカの学校教育の実態をながめた時に、健康な子どもの健康を損なう可能性があることと障害のある子どもが最も良い状態で教育を受ける環境態勢は整っていないことが把握された。本研究で得られた結果は今後予定しているスリランカにおける学校保健の細項目の調査研究の基礎資料を提供する。
学術論文 「養護実習記録の内容分析から捉えられる学生の学びの構成」 単著 斉藤ふくみ 2006.3 (広島大学第3924号) 本研究は、平成17年度A大学学生29名、B大学学生29名、C大学学生10名の養護実習記録簿をテキスト・マイニング手法を用いて内容分析を行った。その結果、学生の学びの言語構成が明らかになり、各々の大学の養護実習での学生の学びの特徴を捉えることができた。また、3大学を総合してクラスター解析を行った結果、養護実習で学習する事項が語句として抽出され、学生の学びを客観的に捉えられた。このことから、本研究で得られた所見は養護実習評価項目を作成する際の参考資料となりうると思われる。
学術論文 養護実習記録簿の分析における内容分析の有効性-文献検討を通して- 共著 斉藤ふくみ、津島ひろ江、宮腰由紀子 2005.12 「学校保健研究」第47巻第5号、pp. 452-468 本研究は、実際に養護実習記録簿の内容分析に着手する前段階としての基礎的作業として位置づけられるものである。今回、看護学実習関連における内容分析を用いた文献検討により、学生の学びの中身がより体系的・構造的・客観的に明らかにされ、有益な結果を導き出していることが確認された。さらに養護実習記録簿の分析における内容分析の有効性について、根拠と方法論の示唆を得た。
学術論文 保健室における付添者への養護教諭の対応に関する一考察-高校生の体験と意識についての質問紙調査から- 共著 斉藤ふくみ、後藤ひとみ、堀内久美子 2002.8 「学校保健研究」第44巻第3号、pp. 215-228 1999年6月、E高等学校の全校生徒936名を対象に質問紙調査を行った。本研究から、保健室を訪れる行動には、さまざまな理由や事情があり、生徒が付き添いについて感じたり、求めている内面をうかがい知ることができた。養護教諭は、保健室来室者に対して個別の対応から、来室者間のつながりを意識した広い視野で捉えていくことが望まれる。
学術論文 養護教諭と学校保健 単著 斉藤ふくみ 1999.9 「教育と医学」第47巻第9号、pp.756-766 養護教諭の学校保健における位置づけと果たしている役割を実際の養護教諭の仕事を振り返ることを通して検討した。養護教諭の一日の執務の記録から「受け止める仕事」「調整する仕事」「発信する仕事」に分類された。
学術論文 研究的視点を探る養護教諭としての試み-執務記録の分析から- 共著 斉藤ふくみ、後藤ひとみ 1999.3 「日本養護教諭教育学会誌」第2巻第1号、pp. 46-54 本研究は、養護教諭が日々の執務を毎日克明に記録するとともに、感じたこと、問題点と、今後の課題をメモしたものをそのプロセスに沿って分析した。その結果、養護教諭が日々記録することを通して省察を行うことになり、そこから研究的な視点が生まれてくることを見出した。
学術論文 「保健室の教育的役割に関する研究-来室者および付添者に対する保健指導の分析を通して-」(修士論文) 単著 斉藤ふくみ 1983.3 (愛知教育大学第116号) 保健室の教育的役割を探るために、その歴史的変遷を概観し(第1章)、保健室における保健指導の意義を確認し(第2章)、それらを踏まえたうえで、保健室でなされる救急処置に伴う保健指導について、来室者および付添者に焦点をあてた実態調査から得られた結果を、分析し考察した(第3章)。そして、第4章では、対象を全児童生徒(健康集団)に据えて、保健室が果たす教育的役割について、構造的に捉えた。第4章では、保健室への接近度と健康問題のフィードバックシステムを構想し、図式化を試みた。